島製作所の近況&6月の壁紙

2011.5.29 Sun

VY9N1109.jpg
▲ひきだしにはがらくたがよく似合う。

今年1月以来久しぶりに壁紙を更新しました。昨年秋頃から今年の初めにかけて、仕事が忙しかったり、僕がちょっと飽和状態だったりして更新が滞っていました。しかし、ウラのコラムにもあるように震災以降、いろいろ悩みました。そしてなるべく多くの人に会うようにしました。いくつかの出会いがあり、その中にうちに新しいスタッフが加わったこともひとつ。「古我地」というミュージシャンに出会ったこともひとつ。他にもいろいろありましたが結果、今まで止まっていたことが少しづつ動き出した感じがしています。震災の影響で仕事は先が見えないことが多く、経営的な不安はありますが、とにかく具体的に動くことに決めました。まずは毎月の壁紙。これはうちの事務所が好きでやっていること。一銭のお金にもならないけれど、逆に言えばお金にならないことを一生懸命やるってことは、必要なんじゃないかと最近思います。無駄と言えばそうかもしれませんが、無駄こそ価値があると思います。ということで、この壁紙を始めとして、SABismの商品開発、そしてSABismのリアルショップの準備、さらにi-padアプリの開発等々、やることは山積みですが、これから具体的にやっていこうと思っています。 島

6月の壁紙の被写体の紹介
landscapeは昨年三重県に行った帰り道に亀山で撮影した1カット。工場で使用する部品を入れる箱か?無造作に積み上げられた錆びが浮いた鉄の箱に書かれた記号がおもしろい。そばにはアジア系の外国人労働者の寮があり、休日に何をするのでもなく寛いでいた。きっと安い賃金から母国の家族に仕送りをしているのだろうか。休日に遊ぶ余裕はないのかもしれない。本来静かで古い町並みの亀山だが、ここにも日本の経済状況の変化による影響は確実に来ている。

image-01
の錆びシリーズは水に浸して釘を錆びさせる為に使用した御神酒の皿。錆びが転写された皿を割ってみた。割れた破片をいろいろ組み合わせて並べた結果、最後に無造作に置いたカットが結局一番よかった。被写体にもよるが、意図的に作った写真は、きれいではあるけれど、リアリティがないことが多い。

image-02
の引き出しシリーズは古いコンパス。今ではデザインで円を描くには、マウスであっという間に描けてしまうが、コンパスで円を描くにはかなりの緊張を伴う。さらにこの写真の古いコンパスの几帳面な作りは、最近の妙にデザインされた文房具にはない道具としての真面目さに満ちている。その関節の動きは精密機械を感じさせてくれる。こういう技術は忘れてはいけないと思う。

calendar-01の今月の被写体は、脚の撮影でさんざん使われたハイヒールのピンヒール。
皮を剥ぐとまるで骨を思わせるようなプラスチックの樹脂が現れる。この細い部分で女性の体重の多くを支えると思うと、よく出来た形だと思う。ハイヒールの形は女性が身に纏う他のアクセサリーなどに較べ、機能と美学のせめぎ合いから生まれた緊張感がある。

calendar-02のカルタシリーズの今月の言葉は「なるほど」=Sure enough!。同意とか理解を示す言葉である。「なるほど、そういうことですね。」と言われると、妙に安心するものだ。「なるほどですね」と最近は使われるようだが、それは間違い。